びぼうろく 

V6のことを中心に、好きなものについて書いています。

本当のファンってなんですか

岡田准一さんが結婚された。

私はV6のファンであるけれども、今回は岡田さんの結婚に対する感情ではなく、別のことについて書き留めておきたい。

 

アイドルに限らず、人気商売の芸能人が結婚すれば、祝福の声と同じくらい、場合によってはそれ以上、悲嘆の声も上がる。便宜上「悲嘆」の一言にくくるけれども、好きな人の幸せを祝福できない理由は様々である。

こういう悲しみの声に対して、「〇〇さんと付き合えるとでも思ってたの?」という言葉がよく向けられる。それに対しての返答も人それぞれであるけれども、ほとんどのファンは別にそんなことは思っていない。*1思っていないからこそ、自分がショックを受けていることに動揺し、好きな人の幸せをすんなり祝福できない自分に嫌気がさすのである。

そしてもう一つ、「付き合えるとでも思ってたの?」と同じくらいよく聞く言葉がある。

「本当のファンなら祝福すべきだ」という言葉である。

この言葉を、「タレントとそのファン」の関係性(ファン心理・オタク心理と言うべきかもしれないが)を知らない人が言う分には「まだ」いいと思う。それは「〇〇さんと付き合えるとでも思ってたの?」と言うのと大した変わらない。要は「未知の世界に対する疑問」から来る言葉だからだ。*2実際私も、アイドルを好きになる前はそう思っていたし。

 

ここで問題としたいのは、ファンがファンに向かって発する「本当のファンなら祝福すべきだ」という言葉だ。

 

そもそも、同じファンと言っても、応援の仕方は人それぞれだ。というか、「好き」の意味は人それぞれ違うのだ。

自分が応援しているタレントの結婚を、すんなり、まっすぐ祝福できる人もいれば、ショックで、悲しくて、応援し続けることができなくなるファンもいる。そして祝福できる人同士、ショックを受ける人同士の中にもそれぞれ、応援のスタンス、タレントに求めるものが違う人たちがいるのだろう。

でも、どちらのファンも、どんなファンも、同じファンなのだ。だってそのタレントのことを「好き」なことに変わりはないのだから。

 

だから、考えてみて欲しい。

あなたが言う「本当のファン」は、「自分と応援するスタンスが同じ人」という意味ではないですか?

だとしたら、「本当のファンなら〜べき」と言う文脈を他のファンに向けるのは、自分の価値観を他人に押し付ける行為と同じではないですか?

自分と違う考えを、無理に受け入れる必要はないし、理解できないならそれでいい。ただ、一番やってはいけないことは、「理解できないから否定する」ことだと私は思います。

 

「ファン」というのは便利な言葉だ。あるタレントを好きな人は、誰であっても「ファン」の括りに入れられるのだから。そこには本当も嘘もない。それぞれの「好き」という感情だけだ。

でもそれは、逆に言えば、「ファン」の共通点は、「同じタレントを好き」という点しかないということでもあるのだ。

 

普段自分が何気なく使う「ファン」という言葉には、同じタレントを好きなだけで、自分とは「好き」の意味や応援するスタンス、価値観や倫理観が全く違う人も含まれているのだということを、肝に命じなければいけない。

 

偉そうな文章になってしまったけれど、自分への戒めとしても残しておきたい。

 

*1:タレントをガチの恋愛対象としている人を否定する気は全くありません

*2:ただ私の経験上、結婚の話題に限らず、家族や職場や学校に渦中の人間のファンがいても、あまりその話題には触れずそっとしておいたほうが吉だと思います…ファンもお茶の間の人間で、芸能リポーターではないので…